形容詞について
形容詞とは名詞を形容することば
形容詞の一番大きな役割は、名詞を修飾することです。「修飾する」というのは、「具体的に説明する」ということです。
例えば……「スーツケース」という名詞を、「新しい」という形容詞で修飾すると「新しいスーツケース」となります。形容詞で修飾することで、単に「どれでもいいスーツケース」ではなく、「新しいもの」という限定が起こります。
日本語で形容詞といえば
日本語では形容詞と言えば「~い」、「~しい」で終わるもの、と覚えた人も多いでしょう。(例:「軽い」、「新しい」)
あるいは、日本語を教える場合には、「~だ」、「~な」で終わるものも形容詞の仲間に入ってきます。(例:「元気だ」、「病弱だ」)
そうですね。学校では「形容動詞」と習ったかもしれません。ただ、文においては形容詞も形容動詞も同じような働きをするため、一括りにするのは合理的だとも言えます。
例えば……
「これは新しいナイフだ」
「これは鋭利なナイフだ」
どちらも「ナイフ」を修飾していますね。一括りにする場合は「ナ形容詞」と呼ばれることがあります。(逆に、「新しい」は「イ形容詞」)
ロシア語には「ノ」形容詞も?
さらに!
ロシア語では「ノ形容詞」とも言えるものがあります。
例を見てみましょう。
русский язык=ロシアの言語(=ロシア語)
завтрашняя газета=明日の新聞
日本語で考えるとそうなります。
「ロシア」(名詞)+「の」(助詞)+「言語」(名詞)
「明日」(名詞)+「の」(助詞)+「新聞」(名詞)
しかし、ロシア語でこれを表現すると、次のようになります。上にもありますが、もう一度書きますね。
「русский」(形容詞)+「язык」(名詞)
「завтрашняя」(形容詞)+「газета」(名詞)
日本語では「の」となるものも、ロシア語では形容詞で表されることが多くあることは気に留めておいてください。
形容詞で覚えなければいけないこと
文法・品詞別(名詞)では「語形変化」の話が盛りだくさんでした。残念ながら、形容詞も語形変化の宝庫です。そのため、覚えることが山ほどあります。
さて、形容詞は名詞を修飾するものでしたが、まずは名詞のことを思い出してみましょう。名詞で覚えなければならなかったのは、次の通り。
形容詞は、直接名詞を修飾するときには、名詞と運命共同体と言えます。そのため、形容詞の変化には、まず次のようなものがあります。
- 修飾する名詞の性によって変化する
- 修飾する名詞の数によって変化する
- 修飾する名詞の格によって変化する
ちなみに、名詞には活動体・不活動体(ヒト・モノ)の区別もありましたが、これについては形容詞に特殊な変化形はありません。
さらに、形容詞と言えば……
- 比較級・最上級
「○○より新しい」、「一番新しい」等ですね。
そして、ロシア語独特なのものもあります。
- 長語尾・短語尾
というものもあります。
形容詞で覚えること5つ
つまり、次の6つについて変化していくので、覚えていくことになります。
- 形容詞の性
- 形容詞の数
- 形容詞の格
- 比較級
- 最上級
- 短語尾
長語尾形というのは、つまり❶〜❸のことです。なので、❶〜❸を覚えれば、自動的に長語尾形を覚えたことになります。
以下、順に見ていきましょう。
- 形容詞の性・数(主格形)
- 形容詞の格
- 形容詞の比較級
- 形容詞の最上級
- 形容詞の短語尾形
- 形容詞の格変化一覧表
形容詞の性と数は、便宜上一緒に見ていきますね。