ロシアはドイツと違いますー!
何を言っているんだとお思いかもしれませんが、それは私のセリフです。
初めて会う人に「ロシア語やってます」と自己紹介のついでに話すことがあります。そして、次に会うと言われること。
いえ、ロシア語です……。
というわけで自己紹介
現在、フリーランスでロシア語の翻訳・講師に携わっています。
ロシア語講師歴は約20年、フリーランス歴は約10年(2019年現在)。ロシアという大国のわりに日本では知名度がイマイチな言語、いまどきの言葉で言うとニッチな言語でも、お陰様でなんとか食べていっています。
ロシア語の学習歴は、はや30年弱。(そんなになるのか〜(驚))
高校時代にソ連崩壊を迎え、「なんだかすごいことが起こっているんだなぁ」と思い、日本のとある大学に入学、ロシア語を中心に勉強し、そして大学院に進学してもロシア語を慰みとし……今だに学び続けています。(継続は語学の基本!)
その結果、初めて出会う人には自己紹介をするときに「ロシア語やってます」となるわけです。
世間との乖離
「類は友を呼ぶ」という言葉の通り、私の周りにはロシア語を勉強している人、またはそれを仕事にしている人、ロシアに興味のある人が多いです。
しかし、一歩ロシア界隈から足を踏み出すと、事情が変わります。
- なぜかロシアは一年中氷に閉ざされていると思われる。
- いまだに「ソ連」と呼ばれる。
- なぜか恐ろしい国だと思われる。
- なぜかドイツと間違えられる。
「ロシア」という国について、なんという認知度の低さ……。
世界地図をよっく思い出してみてくださいな。北極や南極ならまだしも、一年中氷に閉ざされているわけないじゃないですか。ロシアより北の国、例えばスウェーデンが氷に閉ざされた国だと思います? それに、ソ連邦が崩壊したのは1991年、「新生ロシア」はもうすぐ30歳になろうとしているのです。立派な成年になったのに、「あなた、ちっちゃい頃はこうだったわねぇ」と親戚一同に言われ続けるような気分(笑)
というわけで、私はロシア語をきっかけに人間の固定観念の強さを痛感することとなりました。(ドイツと間違えられるのは、謎なのですが)
実は親日大国
私もロシア語を勉強するようになってから知ったのですが、ロシアは、実際には恐ろしい国などではなく相当な親日国です。(ただ、「恐ろしい国」と思われかねない事件がいくつかあるからなぁ……)
「ロシアは親日国」……実際にロシア人と接したり、ロシアを旅行したりすると、実体験としてこの事実に賛成できる人が多いのではないでしょうか?
私自身も実体験として、ロシア人が親日的だという意見です。でも、「私がそう感じるから、ロシアは親日国なのよー」では説得力がないので、ちょっとだけ引用を。
「ロシア政治経済ジャーナル」という、知る人ぞ知るメルマガを発行している北野幸伯氏が口癖のように書いている言葉です。
この国(筆者注:ロシア)は、世界有数の「親日国家」です。
上の人たちは、親日になったり反日になったりする。
それでも、国民は、一貫して親日。
私は28年モスクワに住んでいますが、「反日ロシア人」にあったことが一度もありません。引用元:「ロシア政治経済ジャーナル」No.1837、2018年9月11日配信分
北野氏は、引用にあるように28年ロシアに滞在(2018年時点)、複雑な国際情勢に客観的な分析を加えて、わかりやすく解説するメルマガを発行しています。
北野氏のメルマガは情報満載すぎて、恥ずかしながら、私自身はついていけていない部分も多いのですが、この「ロシア人親日の事実」についての記述には首がもげそうになるくらい同意です。
本サイトの目的1(大きい方)
隣国でありながら、いつまでも「恐ろしい国」「未知の国」と言われ続けるこの現状に一石を投じたく、本サイトを作ることにしました。これが一番大きな目的です。
普段の暮らしの中で、身近な隣近所に住む人たちとの人間関係というのは仲良くあるに越したことはありません。しかし、利害関係も大きいので、距離感を保つのが大変だったりします。
視野を大きくして、国レベルで見ても、同じことが言えそうです。
日本を取り巻く数ある隣国の中で、親日大国であるロシアとの関係は、いつまでも「未知である」で済ませるのではなく、一考に値すると考えます。しかもロシア人の関心はしばしば日本文化(伝統文化からサブカルチャーまで)に注がれています。そんなロシアからのラブコールに対し、日本側は「よくわかんない〜」「怖い〜」とツレナイ態度なのです。なんてモッタイナイ!
ま、関心の1つが、お金であることは否定できませんが。これは国家レベルか、今ロシアで流行りの起業家レベルの話であって、一般のロシア人は、お金が好きだとしても日本人と同じレベルくらいだと思います。
そして、私論ですが、日本人はロシア人の性格から学べることが多くある、と思っています。例えば、「細かいことを気にしない精神」。(一番最初に挙げるポイント、そこかい!) あと、「困った時の問題解決能力」とか「常識を飛び越す大胆さ」とか(笑)
もちろん、ロシア人に日本人を見習ってくれよ! と言いたい時もたくさんあるのですがね……。ロシア人がどう変わっていくかは向こうの事情なのでひとまず置いときます。ロシアやロシア人を見て、日本人が価値観を大きく、柔軟にするきっかけが作れればと考えています。
本サイトの目的2(中くらいの目的)
先にも書いた私事ですが、ロシア語講師をしている関係で、私が日露交流に何か貢献できるとしたら、ロシア語学習を日本でもう少し浸透・促進させることかなと考えています。
そのため、本サイトでもロシア語の紹介、勉強の仕方、よくある疑問などをご紹介していきたいです。ロシア語は、学校等でも勉強したり履修したりできるのですが、独学で臨む人、独学で継続を続ける人が意外と多い言語です。そういうチャレンジャーに情報提供できて、助かったと思っていただければとても嬉しいです。
本サイトの目的3(小さい目的)
私が勉強したこと、「面白い〜!」と思ったことを、忘備録として記録しておきたい、あるいは単に人に話して共有したい、という個人的欲求を発散するという目的がなきにしもあらず……。
一個人の勉強ノートという側面もあるため、本サイトで提供する情報が必ずしも正しくないこともあるかと思います。そういう時には、ご意見・ご指摘をいただければ大変ありがたいです。